

2月に開催するグループ展のための冊子作り。
樋渡賢さんの蒔絵の作品を撮影する。
写真撮りますよと言ってはみたものの
いざ、撮影となると、漆の表面に写り込む景色が気になって仕方がない。
色々試したのち、なんとなく撮れたかな?
撮影をしていて思ったのが、人の目と脳とは、実に都合よくできているなってこと。
実物を眺めていると、写り込んだ景色は全く気にもせず、自分のフォーカスした部分だけが、浮き出し、物語を紡いでいく。
目と脳は感覚に大きく左右されて、実際に写るモノとは違う景色を写し出している。
そこに、創造のおもしろさがあるんだな。
樋渡さんの作品は小さいもの
でも、その技術の高さから、小さきものの中にもっと広いスペースを感じる。
器の中に浮かぶ羽は、器の中から意識の深層にユラユラ、ユラユラ。ゆらゆら、ゆらゆら浮かび
落ちていく様で、舞い上がるようで、静止しているようで、風を受けているようで
もう一つの流れる世界を感じさせてくれる。
実に豊かだと思う。
工芸の持つ歴史の集積は、常に私たちの感覚の奥底を捉えてきたように感じる。
その流れを改めて感じること。
そんな写真であり、冊子ができればと思います。


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武田晃宣 (土曜日, 09 11月 2019 17:41)
欲しいけど私には少し高価な気がします